自分を騙す
- 2020/07/10
- 19:00
雨が続いてジメジメとした日が続きますね。
九州地方でも河川が氾濫して災害が起きてますが、ここ数年では毎年のように災害が起きてる感じがします、私たちも有事に備えてすぐに避難出来るようになど準備しておきたいですね。
こんばんは、えびす治療院の森井です。
先日、「コンダクト・トゥギャザー」というスイッチのゲームがセールで100円だったので、買ってみたのですが、これが面白いゲームでした。
電車に乗客を乗せ目的の駅まで運ぶゲームなんですが、同時に複数台の電車の動きを見ながら線路の切り替えをするので、考えることいっぱいの激ムズで、もとより並列思考はあまり得意ではないので、脳みそがショートして電車がすぐ衝突事故を起こします笑
年齢と共にだんだん脳の機能もおちてくるのでトレーニングが必要ですね!
脳といえば、興味深い実験があります。
1959年に行われた社会心理学者フェスティンガー(L.Festinger)とカールスミス(J.M.Carlsmith)の実験で1ドルの報酬実験といわれるものです。
どんな実験かというと、
○退屈な作業を1時間
ある2つの学生グループに「とても退屈な作業」を1時間続けてもらう。
○次のひとに「面白かった」とウソを言う
作業終了後にその2つのグループとは別の次に作業をするひと対して「作業は面白くてやりがいがあった」とウソ言う。
○謝礼1ドル組と20ドル組
そして1つのグループには、謝礼として1ドル。
もう1つのグループには、謝礼として20ドル支払う。
さらに報酬を支払った後、その作業についての質問をします。
○事後の質問「面白かったですか?」
「作業は面白かったですか?」
報酬が1ドルのグループと20ドルのグループで、どちらが「作業が面白かった」と答えたでしょうか?
報酬が多い方が良い回答をすると思われがちですが、
実際は逆で1ドルしかもらわなかったグループの方が「面白かった」と評価する傾向があったのです。
ではなぜ、そんな結果がでたのでしょう?
■20ドル=作業の対価としてとらえた。
20ドルの報酬を受けたグループは、「面白くない作業」+「嘘をつく」というストレスを
20ドルという報酬で解消・正当化(作業の理由が明確化)され、事後の評価では、
ストレスのない状態だったので、自分の行為に対して正当化する必要もなかった
から、素直に「面白くなかった」と答えることができたのです。
そして
■作業>1ドル・・・理由がない・・・不快感・・・
1ドルしか報酬を受けてないグループは、「面白くない作業」+「嘘をつく」というストレスは1ドルという報酬では解消できません。となると「こんなつまらない作業に
1ドル程度のため1時間もの時間を浪費した」という自分の行為にストレス(不協和)
がのこり不快な状態になるわけです、
そうすると無意識にそのストレスを解消するため「これは意義のある面白い作業だった」と思うことで、正当化しバランスをとってしまったと考えられます。
自分の脳が勝手に自分を騙すわけです。
この実験の場合は、「退屈な面白くない作業」という事実が、自己の正当化のために「面白い作業」として歪められてしまってます。
この認知の歪みは無意識下で脳が行っているので、本人はやっかいなことに正しい認知と思っているのです。
あ、この実験では『単純作業・一回性の仕事・強制性・事後的な評価』などコントロールされた条件が揃っている場合に、無意識的に正当化意識が形成されるのであって、『報酬が少ない仕事』のほうが『報酬の多い仕事』よりも魅力があって選ばれやすいという事は全く意味しませんので歪んだ認知をしないようにして下さいね。笑
他にも日常生活の中で、自分が実際に購入した商品は買う前よりも高く評価されがちですし、自分が真剣に努力して取り組んでいる事に対する価値の認識も高まりやすくなります。
このように脳が勝手に認知を歪めることは他にもたくさんあるので、思い込まずにたまには立ち止まって客観的な立場から物事を考えることも必要かもしれませんね。