続 コロナウイルス
- 2020/05/20
- 16:57
こんにちはえびす治療院の森井です。
今日は前回の続きでコロナウイルスについてです。
重症化しやすい人とは?
高齢者(>65歳)
高血圧
糖尿病
悪性腫瘍
慢性腎不全
慢性肺疾患
心血管疾患
喫煙
肥満
この中では特に年齢が高いことが重要なリスクになります!
80歳以上は15%近くの死亡率だけど、60歳以下は0.2%以下!
ちなみに80歳以上の人は普通の細菌性肺炎も死亡率は10-20%くらいです。
~軽症者・中等症者・重症者って?~
37.5度の熱があってだるいし動くのもしんどいし・・・ご飯もあまり食べたくないし・・コレって重症なんじゃない?
違うんです。明確な定義はないですが、ざっくりとした分類があります。多くの方は軽症に入ります。
・軽症
肺炎がない人
わずかに肺炎がある人
発熱や倦怠感が、咳がある人
微熱が続くし咳が出るし、だるい。なんとなく治りきった感じがしない。
・中等症
呼吸困難がある
呼吸回数が1分間で25-30回以上(肩で呼吸)
肺の画像がどんどん悪くなる
酸素を吸って安静にして入院しないと、とても呼吸状態が保てない。
・重症
呼吸不全で人工呼吸器
ショック状態
肝臓腎臓なども壊れていく人
人工呼吸器を使用して集中治療室にはいるような例
ECMOもココ
検査方法は?
みんなご存知PCR法。ウイルスの遺伝子を見つけ出す検査です。
とにかく話題に上がりやすい。
何度もいうけど、見落としが多すぎる!!(100人中30人以上見落とす!)
お金もかかるし、時間もかかる。ましてや検査できる技師が少ない。
でも、現状でこの検査しか感染を見つけられないからやるしかない。
抗体検査
最近よく聞く単語。要するに抗体があるかどうかを見ている。
抗体って?
→ウイルスに感染すると産生される免疫細胞で次回ウイルスが入ってきた時にすぐに戦ってくれる。
~抗体検査すれば感染がわかるじゃん!~
抗体ってのは“ウイルスが入ってきた証拠があるだけ”です。
今感染してるのか、いつ感染したのか、まったく分かりません。
抗体がある=免疫力があるからもう大丈夫は全く無根拠、インフルエンザだって抗体ができますが何度もかかります。
そもそも抗体って、“あり”と“なし”という結果で出ないです。1と16とか32とかの数字で出ます。いくつ以上あったらどう有効かっていうことすら分からないのが現状です。
まだまだ根拠のない抗体検査ですが、ただ、カリフォルニアで最近町中の人に抗体検査を
したら、思いのほか抗体を持ってる人が多くて、実はすでに患者は現在の50-85倍いるんではないかと試算されました。
ということは死亡率も50分の1だから4%から0.08%くらいになるかも?
それだとインフルエンザと同じくらい?
という話もありますが、本当かどうかはまだ分からないところです。
じゃあ結局検査どうするの?
全員にPCR検査をしろっていうのは無理な論調ですが、やる必要があるならやってますよね。
毎年冬に日本中の人にインフルエンザの検査をしますか?
検査を希望している人は“自分の安心”の為がほとんどなんです。
PCRは3割見落とすっていわれてもなぜか検査を受けたがる。陰性だったらコロナじゃないって証拠もないのに。今日陰性でも明日感染するかも知れないのに。
というわけですが、じゃあ全員に検査をすべき時っていつでしょう?
これは、、、
・安くて早くて確実な検査法が普及してどこでも行えるとき
・早期発見することで有効な治療ができたとき
・なにがなんでも疫学調査で、日本中の患者の数を見つけ出したいとき
くらいですね。早く見つけることで意味がある病気なら頑張って検査しますよね。
現状治療がないから検査をしても何も出来ないんです。
インフルエンザや妊娠検査のようなレベルの簡便なものができないと無理ですね。
軽症者に検査をしないということは陽性でも陰性でも対応が安静のみと同じだからです。そもそもほんとにただの風邪かもしれないし(というかコロナの可能性のほうが低い)。
ココが大事なところで、医療者だってこの病気が重症化しうるのはもちろん分かっている。ただし自宅療養≠無治療です。
家に帰って生活するだけで改善しないようなら必ず連絡するようにと言う意味で常にフォロー中なのです。
かつ、家族さんに感染が広がらないようにどういう生活をしたらよいかを医師はちゃんと説明する義務があります。
医療者の感染の報告
77262人の患者のうち3387例(4.4%)が医療従事者でした。
そのうち23例が亡くなりました。
年齢は中央値で55歳、17人が男性でした。
11人は退職後の再雇用で、少なくとも5人が持病がありました。
5例は地域医療スタッフ、3例が漢方医、2例が内科医、2例が呼吸器内科医、1例が消化器内科医、8例が外科医、1例が心電図検査技師、1例が看護師でした。
感染症の専門医は1例も死亡しておらず、その後3月までに42600人の医療従事者が派遣されましたが1例も重症な感染を起こしていません。
つまり、死亡者が出たのはしっかりとした感染対策がまだ広まっていなかった時期のことであり、感染対策がしっかりしていれば感染することも死亡することも心配しなくて良いと言われます。
だから必ず適切なタイミングで感染対策をしましょう!
手洗いは特に大事です!!
どこまでなら外にでても大丈夫なの?
考え方は“3つの密ではないこと”、“短時間であること”、“触れるものがあれば手を洗うこと”、“人が周りにいないこと”、“周りにいても健康と分かっている人”これら全てを満たしてコントロールできていれば良いと思います。
これからどうなるの?
わかったら苦労はしませんね。当面の課題としては“自粛をいつまでするか”と“対応はどういう方針にしていくか”です。
自粛は比較的感染の拡大が緩やかな地域から順に解除していくのでしょう。
イベントなども少しずつ再開するでしょう。
そして少しでも増える気配があったらまた自粛です。
自粛はあくまで時間稼ぎです。ダメージを最小限にしながら治療や体制が出来るのを待つのです。
対応の方針
この病気、たしかに不安ですが、大前提として“重症な病気”と認定されません。エボラやMERS側みたいなものではなく、インフルエンザ側の病気と認定されます。
とすると、いずれは指定感染症を外して、どこの病院でも受診できるように少しずつ感染対策のハードルを下げていく、受診のハードルを下げていく。となります。
まずはPCR2回陰性で退院というルールは、発症から14日間で隔離解除とか、海外のように家で生活7日間かつ解熱後3日間で隔離解除。みたいにしていくと思います。
~おわりに~
実際の臨床現場では、どこを恐れるべきなのか、どこまでが心配ないのか。感染対策をどういう風に行えばいいのか、治療はどういう風に行えばいいのか、手探りですが見えてきています。
本当の敵は、皆さんの中に潜む“わからないものに対する恐怖”です。それが結果として人々の心を分断して対立させて医療を崩壊させます。
もうマスメディアのわけのわからない煽りに医療者は疲れてきております。海外に比べて日本は~、PCR検査も日本は~、っていいますが、日本は間違いなくコントロールできている国です。
我々医療従事者は重症化した人を受け入れる覚悟はできています。みなさんも1人1人が手洗いなどの感染症対策をする。3つの密を避ける。stayhome。そして感染しない!としてお互い協力していきましょう。
今回はかなり長文でしたが、お時間のあるときに読んでみて下さい。
皆さんも気を緩め過ぎずしっかりとコロナ対策していきましょう!
今日は前回の続きでコロナウイルスについてです。
重症化しやすい人とは?
高齢者(>65歳)
高血圧
糖尿病
悪性腫瘍
慢性腎不全
慢性肺疾患
心血管疾患
喫煙
肥満
この中では特に年齢が高いことが重要なリスクになります!
80歳以上は15%近くの死亡率だけど、60歳以下は0.2%以下!
ちなみに80歳以上の人は普通の細菌性肺炎も死亡率は10-20%くらいです。
~軽症者・中等症者・重症者って?~
37.5度の熱があってだるいし動くのもしんどいし・・・ご飯もあまり食べたくないし・・コレって重症なんじゃない?
違うんです。明確な定義はないですが、ざっくりとした分類があります。多くの方は軽症に入ります。
・軽症
肺炎がない人
わずかに肺炎がある人
発熱や倦怠感が、咳がある人
微熱が続くし咳が出るし、だるい。なんとなく治りきった感じがしない。
・中等症
呼吸困難がある
呼吸回数が1分間で25-30回以上(肩で呼吸)
肺の画像がどんどん悪くなる
酸素を吸って安静にして入院しないと、とても呼吸状態が保てない。
・重症
呼吸不全で人工呼吸器
ショック状態
肝臓腎臓なども壊れていく人
人工呼吸器を使用して集中治療室にはいるような例
ECMOもココ
検査方法は?
みんなご存知PCR法。ウイルスの遺伝子を見つけ出す検査です。
とにかく話題に上がりやすい。
何度もいうけど、見落としが多すぎる!!(100人中30人以上見落とす!)
お金もかかるし、時間もかかる。ましてや検査できる技師が少ない。
でも、現状でこの検査しか感染を見つけられないからやるしかない。
抗体検査
最近よく聞く単語。要するに抗体があるかどうかを見ている。
抗体って?
→ウイルスに感染すると産生される免疫細胞で次回ウイルスが入ってきた時にすぐに戦ってくれる。
~抗体検査すれば感染がわかるじゃん!~
抗体ってのは“ウイルスが入ってきた証拠があるだけ”です。
今感染してるのか、いつ感染したのか、まったく分かりません。
抗体がある=免疫力があるからもう大丈夫は全く無根拠、インフルエンザだって抗体ができますが何度もかかります。
そもそも抗体って、“あり”と“なし”という結果で出ないです。1と16とか32とかの数字で出ます。いくつ以上あったらどう有効かっていうことすら分からないのが現状です。
まだまだ根拠のない抗体検査ですが、ただ、カリフォルニアで最近町中の人に抗体検査を
したら、思いのほか抗体を持ってる人が多くて、実はすでに患者は現在の50-85倍いるんではないかと試算されました。
ということは死亡率も50分の1だから4%から0.08%くらいになるかも?
それだとインフルエンザと同じくらい?
という話もありますが、本当かどうかはまだ分からないところです。
じゃあ結局検査どうするの?
全員にPCR検査をしろっていうのは無理な論調ですが、やる必要があるならやってますよね。
毎年冬に日本中の人にインフルエンザの検査をしますか?
検査を希望している人は“自分の安心”の為がほとんどなんです。
PCRは3割見落とすっていわれてもなぜか検査を受けたがる。陰性だったらコロナじゃないって証拠もないのに。今日陰性でも明日感染するかも知れないのに。
というわけですが、じゃあ全員に検査をすべき時っていつでしょう?
これは、、、
・安くて早くて確実な検査法が普及してどこでも行えるとき
・早期発見することで有効な治療ができたとき
・なにがなんでも疫学調査で、日本中の患者の数を見つけ出したいとき
くらいですね。早く見つけることで意味がある病気なら頑張って検査しますよね。
現状治療がないから検査をしても何も出来ないんです。
インフルエンザや妊娠検査のようなレベルの簡便なものができないと無理ですね。
軽症者に検査をしないということは陽性でも陰性でも対応が安静のみと同じだからです。そもそもほんとにただの風邪かもしれないし(というかコロナの可能性のほうが低い)。
ココが大事なところで、医療者だってこの病気が重症化しうるのはもちろん分かっている。ただし自宅療養≠無治療です。
家に帰って生活するだけで改善しないようなら必ず連絡するようにと言う意味で常にフォロー中なのです。
かつ、家族さんに感染が広がらないようにどういう生活をしたらよいかを医師はちゃんと説明する義務があります。
医療者の感染の報告
77262人の患者のうち3387例(4.4%)が医療従事者でした。
そのうち23例が亡くなりました。
年齢は中央値で55歳、17人が男性でした。
11人は退職後の再雇用で、少なくとも5人が持病がありました。
5例は地域医療スタッフ、3例が漢方医、2例が内科医、2例が呼吸器内科医、1例が消化器内科医、8例が外科医、1例が心電図検査技師、1例が看護師でした。
感染症の専門医は1例も死亡しておらず、その後3月までに42600人の医療従事者が派遣されましたが1例も重症な感染を起こしていません。
つまり、死亡者が出たのはしっかりとした感染対策がまだ広まっていなかった時期のことであり、感染対策がしっかりしていれば感染することも死亡することも心配しなくて良いと言われます。
だから必ず適切なタイミングで感染対策をしましょう!
手洗いは特に大事です!!
どこまでなら外にでても大丈夫なの?
考え方は“3つの密ではないこと”、“短時間であること”、“触れるものがあれば手を洗うこと”、“人が周りにいないこと”、“周りにいても健康と分かっている人”これら全てを満たしてコントロールできていれば良いと思います。
これからどうなるの?
わかったら苦労はしませんね。当面の課題としては“自粛をいつまでするか”と“対応はどういう方針にしていくか”です。
自粛は比較的感染の拡大が緩やかな地域から順に解除していくのでしょう。
イベントなども少しずつ再開するでしょう。
そして少しでも増える気配があったらまた自粛です。
自粛はあくまで時間稼ぎです。ダメージを最小限にしながら治療や体制が出来るのを待つのです。
対応の方針
この病気、たしかに不安ですが、大前提として“重症な病気”と認定されません。エボラやMERS側みたいなものではなく、インフルエンザ側の病気と認定されます。
とすると、いずれは指定感染症を外して、どこの病院でも受診できるように少しずつ感染対策のハードルを下げていく、受診のハードルを下げていく。となります。
まずはPCR2回陰性で退院というルールは、発症から14日間で隔離解除とか、海外のように家で生活7日間かつ解熱後3日間で隔離解除。みたいにしていくと思います。
~おわりに~
実際の臨床現場では、どこを恐れるべきなのか、どこまでが心配ないのか。感染対策をどういう風に行えばいいのか、治療はどういう風に行えばいいのか、手探りですが見えてきています。
本当の敵は、皆さんの中に潜む“わからないものに対する恐怖”です。それが結果として人々の心を分断して対立させて医療を崩壊させます。
もうマスメディアのわけのわからない煽りに医療者は疲れてきております。海外に比べて日本は~、PCR検査も日本は~、っていいますが、日本は間違いなくコントロールできている国です。
我々医療従事者は重症化した人を受け入れる覚悟はできています。みなさんも1人1人が手洗いなどの感染症対策をする。3つの密を避ける。stayhome。そして感染しない!としてお互い協力していきましょう。
今回はかなり長文でしたが、お時間のあるときに読んでみて下さい。
皆さんも気を緩め過ぎずしっかりとコロナ対策していきましょう!